2014-03-04

『魔女の宅急便』 本当は飛行船のクライマックスシーンは存在しないはずだった!


ジブリ版『魔女の宅急便』の物語のラストシーン。コントロールを失った飛行船に取り残されたトンボを、スランプ中のキキが力を振り絞り、ついに救い出すことに成功!気づけば、みんなの大歓声を受けていた。

ジジの声は、もう聞こえないけれど…。

といったところで、『やさしさに包まれたなら』の流れるエンドロールへと向かいます。

しかし当初の構想では、クライマックスの飛行船のシーンは存在していなかったそうです。

ジブリの教科書5 魔女の宅急便 (文春ジブリ文庫) によると、スランプに陥ってしまったキキがウルスラと語り合ったのち、ニシンのパイの件で出会った、あの老婦人から思わぬケーキのプレゼントをもらい、感激する…というところで、物語を終える予定だった、と


飛行船のシーンという、娯楽映画として大きく盛り上がるシーンを入れるかどうかについては、宮崎監督、この作品ではプロデューサー補佐であった鈴木敏夫さん、スタッフたちの間でも意見が別れ、議論が起こったそうです。

多くのスタッフは「要らない」と思っていたそうですが、鈴木敏夫さんは「宮さんがやるなら、必ずおもしろいシーンになるはず。しんみり終わる映画もあっていいけれど、娯楽映画というのは、やっぱり最後は“映画を見た”という満足感が必要なんじゃないか。そのためには、ラストに派手なシーンがあったほうがいい。」と飛行船のシーン追加を強く推し、そのうちスタッフたちも納得するようになったそうです。

クライマックスとして大きく盛り上がる飛行船のシーン、必要だったと思いますか?思いませんか?






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